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司法書士の本人確認の本質


司法書士法人 関根事務所
創業 30年目の実績

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本人確認業務の本質


AI技術により人工知能が人間の仕事を奪うという論調があります。
ブロックチェーンによって、本人確認が簡単にでき司法書士が存在する必要がなくなると言う司法書士がいます。
はっきりと言いますと司法書士の本人確認には、全く影響がありません。

まず、不動産登記手続きに関する確認には2種類あります。

【完了している登記】
①登記簿の記載は正しいか(改竄がされていないか)

【不動産取引から発生する登記】
②目の前にいる所有者と名乗る人間が本人か

 ①に関しては、ブロックチェーンの考えはコストや安全性から完璧ではありませんが有効だと思います。この先、高度な技術がいろいろ出てくることでしょう。これは、あくまでも法務局の管理上の問題となりますので、司法書士の関わる部分ではありません。この部分に関しては、ブロックチェーンが司法書士の仕事を奪うことはありません。
 ②に関してですが、目の前にいる人間。生体としての対象物が本人かどうか判別することになります。この部分が司法書士の業務であると明確な理解が必要です。①と②が混在していて法務局サイドの部分を議論したり心配したりし、司法書士業務に関し何を議論しているのかわからなくなっている司法書士の方が多くいます。

 以前金融機関では、通帳のことを免責証券と呼んでいる時代がありました。通帳と通帳印を持っている人間に対し預金を払い出しすれば金融機関は責任を負わないと言う理屈があったからです。
 その後、裁判所は、定期預金に関し通帳と通帳印を使った払い出しであっても金融機関の本人確認による過失を認定しました。昨今の風潮では、金融機関は免責証券機能が役に立たないため通帳の廃止に動いています。web通帳と言う方式にし発行コストを削減する方向になっています。

 我々の司法書士の本人確認業務ですが、今すぐにでも登記識別情報を使った登記は、どのようなときにでも完全に有効とする制度を作れば、登記制度は完璧です。要するに登記識別情報を盗まれた被害者は救われないようにすれば良いだけです。ですが、通帳を盗まれた被害者を切り捨てず金融機関に責任を負わせる、登記識別情報を盗まれた被害者を切り捨てず救済し、司法書士の本人確認に関して責任を負わせる。当たり前ですが、日本の法制度は、過失のない方が泣き寝入りするような仕組みではありません。過失のない被害者は当然救済され、報酬をもらい業務をしているプロが責任を負う部分が多くあります。

 そのような法制度ですから、登記識別情報を発行しても完全な本人確認はできません。盗まれた登記識別情報かもしれないからです。ブロックチェーンを使って暗証番号やパスワードやらを次から次へと作成して配ったところでその暗証番号やパスワードを盗まれた被害者が保護される制度ですから意味がありません。登記識別情報や印鑑証明書など、すでにあるわけですから生体情報と違い、第三者が盗めるものを次から次へと増やし続けても意味がないのです。

 仮に不動産詐欺を完全に防止する制度を構築するならば、具体的な生体情報を登記簿に入れる方法が考えられます。
 例えると顔写真、指紋・DNA情報などを登記簿に登録する方法です。この方法ができるのであれば、成りすましによる不動産犯罪はかなり防げると思いますが、このようなことは民主国家ですることは不可能でしょう。
 外国人の指紋押捺を強制する制度が憲法違反とされ指紋押捺制度が廃止になったこともあります。プライバシー保護から生体情報を国家が強制取得することや、ましてやその情報を司法書士が入手し本人確認に利用することはかなり難しいことでしょう。
 生体情報であっても、公開してしまえば偽造する手段を考え出す者も想定できます。
 このような前提がありますので本人確認は、常に不完全な情報だけで対応をしなければなりません。それが個人情報が守られ人権・プライバシーを尊重する民主国家の宿命であり、国民の自由が補償され独裁国家とは違う民主国家の素晴らしさでもあります。

 ブロックチェーンで本人確認が完璧にできるとか、何かもの凄いAIが本人確認をして司法書士の仕事がなくなるなどは、全くの幻想です。個人情報のデータの入手ができない状況で万能なシステムをプログラミングすることはできません。プログラミング技術のない方の妄想にすぎないのです。
 民主国家として、国民の個人情報の保護している以上、個人を判別するための本人確認の情報の入手は極めて困難です。私たち司法書士は、わずかな個人情報しか入手できずそれを補うために司法書士としての経験値が非常に重要となります。地面師に遭遇した経験のあるベテラン司法書士の場合、不動産詐欺師特有の緊張感、緊張からくる署名の際の微妙な手の震え、一流の司法書士は見逃したりしません。経験・知識の乏しさのため、地面師なんていないと言う認識で日常業務をしている司法書士とは、判断のレベルや視野の広さがまったく違います。

 フォーマットに当てはめるだけ、データを突き合わせるだけ、そんな作業をアナログ的に毎日繰り返している司法書士事務所が大量に存在します。相続・商業登記・ネット銀行等のかなりの部分の単純業務は、プログラミングされたコンピューターシステムが取って代わるかも知れません。その際には、単純業務しかできない司法書士では、存在を否定される状況がくることでしょう。

 単純業務で大規模化した法人が増え、高度な職人的能力を持つ貴重な司法書士は速いスピードで年々減少しています。
 ほとんどの司法書士が、本人確認をしていると言っておきながら、本人がニセ者のなりすましかどうかまったく確認をせず、身分証明書のコピーを取ることだけが目的となりコピーをとる儀式で業務の完了になっています。自分たちが、何のために何をしているのか論理的に思考ができない司法書士が大量に増加しています。
 本人確認の本質も理解できない司法書士は、AIやブロックチェーンに仕事を奪われるという思い込みをします。また、誰にでもできる身分証明書のコピーを取るだけの単純な本人確認業務をしているため、誰がやっても決済業務は同じと言うような低レベルな認識の司法書士ほど、仕事が消滅する恐怖心が強いことでしょう。
 今や不動産詐欺師を防止する能力がある司法書士は非常に貴重な存在です。

 司法書士法人関根事務所では、データ加工に関しては、社内で開発したプオリジナルのプログラミング技術により効率化をしています。
 その上でコンピューターにはできない業務を日々行い、将来のAIですら対応できない技術を磨き研鑽を積む司法書士たちがここにいます。
 そのような本人確認の本質を身につけた、特殊な能力を持った司法書士を一人でも増やすために、司法書士法人関根事務所は日夜邁進して参ります。


追記
 顔写真付きマイナンバーカードの普及とマイナンバーカードのICを確認できるシステムは有望です。なお、盗んだマイナンバーカードを防止するためにも面前で写真付きのマイナンバーカードで操作することを確認する必要がありますから、直接面会での確認はなくならないことでしょう。
 現在でも、顔写真付き身分証明書を要求できず「健康保険証しかない」で押し切られる司法書士が多くいます。仮に将来マイナンバーカードの普及率が90%となっても、地面師が残りの数%の身分証明書へと誘導をしてくることは予想されます。顔写真付きの身分証明書以外を拒否できない現状では、現場の苦労は無くならないと思います。危険な本人確認へと受託競争でさらされる現状では、安全なシステムの利用も困難なことでしょう。今後も、職人的な技術・経験が必要とされることは今後も続いて行きます。

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ブロックチェーンの解説


 ブロックチェーンでは、取引履歴(ブロック)が暗号技術によって過去から1本の鎖のようにつなげるかたちで記録される。一つのブロックは、合意された取引記録の集合体と、各ブロックを接続させるための情報(「ハッシュ値」や「Nonce」等)で構成される。ブロックチェーンとは、このブロックが複数連結されたものを指す。 ハッシュ値とは、ハッシュ関数を用いた計算によって前のブロックが持つ情報から生成された値である。仮に、新しいブロックに前のブロックそのものを包含するとブロックの連結が起こる度にファイルサイズが増大するが、ハッシュ値を用いることでファイルサイズの増大を抑制することができる。このハッシュ値により、ブロックの順序性を維持することが可能となっている。Nonce とは、新しいブロックを作成する際にハッシュ計算に与えられるパラメータである。PoWにおいては、新たなブロックの生成に、計算負荷の大きい、予め定められた条件を満たす Nonce の発見作業(マイニング)を課すことで、ブロックの改竄を困難としている。ある参加者が何らかの取引を行った場合、当該取引内容は、P2P ネットワークの分散環境上の全参加ノードに通知される(ブロードキャスト)。当該取引内容が、予め取り決められた方法(コンセンサスアルゴリズム)によって承認されると新たなブロックが生成される。ブロックチェーン技術を支える分散型台帳の仕組みでは、参加者である複数システムがそれぞれ台帳データを保有し、常に同期が取られる。仮に複数のユーザーが同時に同じデータに対して書込要求をした場合、一般的なデータベースは一方の要求を抑止して他方の要求を処理する(排他制御)が、分散型台帳では、コンセンサスアルゴリズムによって、どの要求を優先的に反映させるかが決定される。
 ビットコインを例にブロックチェーンの仕組みはコンセンサスが形成されてチェーンが長くなる度、過去のブロックが改竄される可能性は指数関数的に下がっていく。ただし 0 にはならないので、ファイナリティはあくまで確率的なものである。ブロックタイムも10分と長い。しかしながらノードが行っていることはプロトコルに定められたものだけであり、多数のノードがブロックの生成競争をすることに鑑みて、コンセンサスに参加するノード数も非常に多いと言える。対等な関係にある膨大なノードが存在して安全性が成り立つ。対等性が崩壊した場合には、改ざんできる余地が発生する。
 

ブロックチェーンへのハッキング


 実際におきた、モナコインのハッキング
 通常、マイナー(採掘者)は採掘したブロックをネットワークにブロードキャストするのだが、今回、一部のマイナーが、採掘したブロックを隠し持ったまま次々にブロックを掘り進めてチェーンを生成し、他のチェーンより長く生成したタイミングでネットワークにブロードキャストしている。PoWでは、マイナーによるチェーンの分岐を無効化するため、最も長いチェーンがメインのチェーンになるようルールが定められているが、分岐したチェーンがさらに長くなることで置き換えられてしまい、直近のトランザクションが消失してしまう。攻撃者は、直近のトランザクションが消えてしまう性質を利用し、自身が保有していたモナコインをチェーンの書き換え前に取引所に送金し、すぐに出金する。その後、ブロックチェーンを書き換えることで送金履歴が消失し、送金されたはずのモナコインが取引所には存在しないことになるため、すでに出金処理した取引所は、出金額分の被害を受けてしまう。
 回避策として、取引所ではブロックの承認数を引き上げることでチェーンの確度を上げ、安全性を高めようとしている。例えば、30ブロックなどひとまとまりのブロックが進んだら、ユーザーからの入出金などを承認する。ブロックの承認数が多いほど、ブロックでトラブルがあった場合でもトランザクションの処理を防ぐことができる。一方で、ブロックの生成時間分待ち時間が発生するため、ユーザーの入出金が反映されるまで時間がかかってしまう。
 対等性が崩れるような計算能力(ハッシュパワー)が極めて高いマイナー(採掘者)が存在する場合にはハッキングの可能性がある。